PAサポートセンター(札幌市委託事業)

“PA”とはパーソナルアシスタンス制度の略称です

パーソナルアシスタンス求人

パーソナルアシスタンス制度

 2010年4月からパーソナルアシスタンス(以下、PA)制度が札幌市独自制度としてスタートしました。
 これは札幌市内の障がい当事者団体と行政が約2年間にわたって協議して実現したものです。このPA制度は、障がい当事者運動の中で、世界的な(北欧諸国、イギリス、米国、カナダなど)流れになってきているものですが、 日本では初めての画期的な試みです。

札幌市ホームページにもPA制度について掲載されております。

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ダイレクトペイメント(介助料直接支給)により可能になること
障がい当事者個人が、介助者と直接、対等な法的委任契約を結び、契約の主体者となることができます。
  • 介助とは人間にとって、もっともプライベートな身体に触れたり、プライバシーの空間に踏み込むことであり、性別を含め、どんな介助者にどんな介助をしてほしいかということは、 基本的な人権です。事業所から一方的に派遣されるヘルパーと違って、介助者を選ぶという自己決定を行うことができます。
  • 介助者とどのような条件(報酬額、活動時間等)で介助契約を結ぶかを決められるとともに、必要ならば契約解除をすることもできます。
中間管理業者(指定事業所)が介在しないために、費用対効果が最大限になります。
  • 一般的なヘルパー派遣事業所では、介護給付費の約30~40%が、管理部門の人件費(現場で働くヘルパー以外の人件費。例えばサービス提供者や管理者、事務員等)、事業所維持費などの諸経費に当てざるを得ませんでしたが、そのコストを直接、介助者の待遇アップや研修にあてたり、利用時間数の拡大に充てることもできます。
従来のヘルパー派遣制度との併用も可能です。
  • 例えば月300時間重度訪問介護を認定されている場合、最大299時間までをパーソナルアシスタンス制度の利用に切り替えることができます。(毎月最低1時間は「重度訪問介護」の利用が必要です)また299時間の内、例えば100時間だけをパーソナルアシスタンス制度にすることも可能ですし、自分にセルフマネジメントは難しいなぁと思ったら、また「重度訪問介護」に戻すことも可能です。
障がい当事者個人のセルフマネジメントにおいて最大の効果をあげることができます。
  • 介助者の募集・選考・教育・シフト調整を直接本人が行うことができます。
  • 自分の介助プランを自分で設計することができます。
  • 介助者とのトラブルが発生した場合、自らが主体的に問題を解決できます。
  • 介助マネジメント能力を高めることで、利用する介助の質をよりよくすることができるようになります。
  • 介助者は基本的に利用者個人の専属になるために、介助者を複数の利用者で共有することで起こるシフト調整がなくなり、同時にプライバシーの漏えいを防ぐことができます。
  • 事業所の都合により定期的に介助者を交代させられることがありません。
「重度訪問介護」で認められた介助内容の範囲内で、自分に必要な介助を自由に利用できるようになります。
  • 事業所によっては吸引など医療的ケアや爪切り、花の水やり、窓拭き、点眼や薬の飲用などの介助を一切行わない場合がありますが、介助者との合意の上でできるようになります。
介助者のヘルパー資格は必要ありません。
  • 事業所ヘルパーは有資格者でなければできませんが、この制度では初任者研修等(旧ヘルパー2級等)の資格は必要ありません。求人の対象枠が広がり、介助をしたいという人なら誰でもパーソナルアシスタントとして契約することができます。
 このように介助料直接支給によってセルフマネジメントが名実ともに行えるようになります。規制の多い事業所派遣ヘルパーからの介助ではなく、自分でアシスタント(介助者)を選び、自分の介助生活を自由にかつ主体的に作って生きたいという人にはぴったりの制度です。
 しかし、その反面、そこには大きな責任も(法的にも)ともなってきます。介助者との直接契約は「委任契約」という法的な契約となりますし、活動報酬の支払いを滞らせたりすると契約破棄、訴訟に発展する恐れもあります。介助者の募集や面接、トラブル発生時の解決も最終的には自分でやっていくことになります。
 また、日常の介助活動の場面でも、介助者への連絡やシフト作成のミスで、介助者が来ないという事態もあるかもしれません。最終的な決断は自分で下し、自分でその責任を担わなければなりません。事業所などの責任に転嫁することはできないのです。そこでは失敗から何を学んだかこそが大切で、生涯を通してセルフマネジメント能力を向上させていくのです。
 もちろんこれらの介助コーディネートをひとりで、まったくのサポートなしで行うのはかなり困難なことです。そのためのサポートを行うために、「パーソナルアシスタンス制度サポートセンター」(PAサポートセンター)があります。

PAサポートセンター役割

 このPAサポートセンターをうまく活用することにより、今まで事業所ヘルパーから介助を受けていた人も徐々にセルフマネジメントの力をつけてうまくやれるようになります。自立生活センターさっぽろは、このパーソナルアシスタンス制度の支援機関「PAサポートセンター」として、各利用者方々のセルフマネジメントの支援を行うことになりました。

 英国では、1996年にダイレクト・ペイメント(介助料直接支給)が政府によって法制化されましたが(地方自治体ではそれ以前から第三者機関を通しての介助料直接支給制度が実施されていました)、 そこでも支援機関である当事者団体・自立生活センターが大きな役割を担い、介助利用の必要な個々の障がい当事者のセルフマネジメント能力を向上させる形で制度をより使いやすくかつ有用なものにしています。日本で初めての、 札幌版パーソナルアシスタンス制度が成功するかどうかのキーポイントは、まさに支援機関のあり方に左右されますし、何よりもこの制度を利用される方々ひとりひとりのさまざまなセルフマネジメントの場面で、ご満足いただけるサポートがしっかりとできるよう、その責任の重さをかみしめながら、支援機関としての役割を担っていきたいと考えています。

 このパーソナルアシスタンス制度のもっとも大きな目的は、障がい当事者個人がセルフマネジメントを通して、より質の高い豊かな生活を自分で創っていくことにあります。この制度の主旨を充分ご理解のうえご利用下さい。

 ご関心ご質問等のある方は、当会事務局「PAサポートセンター」へお気軽にご連絡下さい。